「思いをカタチに、集中のちから」

脾に宿る「意(い)」は、記憶・思考・学び・集中といった精神機能をつかさどる存在。考えすぎて動けなくなる前に、バランスを取り戻しましょう。

1. 五臓と五神の関係

「意(い)」は脾に宿ります。脾は飲食物から得られた栄養(後天の精)を全身に巡らせる役割を担い、同時に「意(い)」の働き=思考・記憶・集中力を生み出します。脾が健やかであるほど、思考は明晰になり、記憶力も安定します。

2. 精神的特徴とその長所・短所

長所:集中力がある、勉強熱心、計画性に富む、思慮深いなど。

✅ まとめ: 思慮深さ・記憶力・安定感・現実対応力・持続力などが発揮されやすくなる。

短所:考えすぎて動けない、心配性、物忘れが増える、自己否定感など。

※「意(い)」弱まると、思い悩みすぎて心配性や堂々巡りになりやすくなる。

3. 中医学的背景

「思(し)」は「意(い)」から生まれる精神活動とされ、過剰な思慮は「脾を傷る」と古典に記されます。つまり考えすぎや思い詰める、こだわりが強いなどは脾胃にダメージを与え、食欲不振や倦怠感などにもつながります。中医学ではこのような状態を「思傷脾(ししょうひ)」と呼びます。

4. 意(い)が失調したときのサイン

精神的サイン:思考が堂々巡り、物事を悪く考えすぎる、決断ができない、物事にこだわり過ぎるなど。

身体的サイン:消化不良、胃もたれ、逆流性食道炎、慢性的な疲労、むくみ、口内炎、下痢など。

5. 養生のポイント

「健脾利湿」、五臓の脾は湿に弱いため、湿を溜めないようにし、脾を健やかにする。

出来るだけ暴飲暴食を避け、こってりしたもの、消化の悪い物、冷たい物、生の物(サラダや果物も)を避け、温かく、柔らかく、消化しやすく調理したものを食べるように心掛けましょう。

💤 生活習慣・睡眠

考え事は紙に書き出して整理する、同じことを繰り返さない習慣を。

🧠 心の使い方(養心・調情)

悩みを共有する、内省と行動のバランスを取る。

🌿 癒しの香り

オレンジスイート、カモミール、ジンジャー、フェンネルなど。

🧘‍♀️ 経絡と運動処方

足の太陰脾経に沿ったストレッチ、ウォーキングや太極拳など。

🫂 周囲との接し方のヒント

話をじっくり聞いてくれる人との対話が安心につながります。完璧を求めすぎず、70点でOKと考える「緩める思考」を周囲に教えてもらいましょう。

🍙 意(い)タイプにおすすめの食材

かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、とうもろこし、にんじん、大豆、もち米、白ごはん、卵、白身魚、鶏肉など。

🫖意(い)タイプにおすすめの食材